変形させたLPSO相の表面観察と研磨を繰り返すことで,キンクとpre-kink(プレキンク)の3次元構造を明らかにしました.また,この観察結果を基に,正負一対の回位の距離が離れていくことでキンクが成長するという新たなモデルを提案しました.

2020/05/14


上の図は,(a)変形後のLPSO相における試験片最表面のキンク,(b)表面から165μmの深さまで研磨した部分のキンクの模式図,および(c)は観察結果を基に構築したキンクの三次元形態です.キンクの結晶回転量に対応させてキンクの突端に正負一対の回位を配置してみると,この回位対が離れることによりキンクが成長するというキンク形成・成長モデルが提案できます.結果の詳細は,以下の論文に記されています.
“Morphological and crystallographic features of kink bands in long-period stacking ordered Mg-Zn-Y alloy analyzed by serial sectioning SEM-EBSD observation method ”
Tsubasa Tokuzumi, Shigeto Yamasaki, Wansong Li, Masatoshi Mitsuhara and Hideharu Nakashima
Materialia, 12(2020), 100716.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589152920301332#!