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HPの表紙の図,二重円筒型双結晶について
二重円筒型双結晶とは,円筒型の内側結晶粒(IS Grain)とそれを取り囲む外側結晶粒(OS Grain)という二つの結晶粒で構成される双結晶であり,本研究室で材料物性の基礎研究に用いている.下図(a)はその模式図であり,(b)は銅基合金の二重円筒型双結晶について,内側結晶粒と外側結晶粒のあいだの円形の結晶粒界(Grain boundary,次を参照のこと)を示す顕微鏡写真である.この二重円筒型双結晶,チーズちくわに似ているという説とこんなお菓子に似ているという説がある.
このような双結晶は材料の力学物性研究,特に結晶粒界の影響を考察する上で有用な試験片となる.下図(c)のように試験片を切り出し,高温域で引張試験を行うと,変形の条件によっては円形粒界に沿ったある箇所にクラックが発生する.下図(d)において,円形の結晶粒界に沿った右下部の黒い三日月型が粒界に生じたクラックである.試験片の厚さは2mm程度であるが,クラックは試験片を突き抜けている.内側結晶粒はその周囲を外側結晶粒に取り囲まれているため,クラックが成長しても試験片全体の破断はなかなか起こらない.この研究の背景は次を参照のこと.
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