A03-1の概要
ミルフィーユ構造の変形時のキンク形成を転位の運動によって生じる非線形特異現象として捉え,数理科学や材料科学に基づいて,複眼的,多角的視野から,(1) 数学によるキンク形成機構のモデリング,(2) 結晶物理学によるキンク界面適合性の幾何学的条件の選定,(3) 転位論を包含する回位論および材料組織学によるキンク形成の可視化,を行い,数値シミュレーションを通した数理モデルの検証を経て,キンク形成理論を導く.
研究成果の紹介
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2020/06/01
刃状転位列でモデル化したキンクバンド周辺に生じる変形を数値解析によって求め,各応力成分や回転量の分布に関して考察しました
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2020/05/15
一般のキンク結合においてねじれ型回位成分も発生することを見出しました.
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2020/05/14
不適合度が存在するときの回位生成について考察しました.また,不適合度のHodge双対性から,拡張された応力関数が得られることがわかりました.
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2020/05/14
変形させたLPSO相の表面観察と研磨を繰り返すことで,キンクとpre-kink(プレキンク)の3次元構造を明らかにしました.また,この観察結果を基に,正負一対の回位の距離が離れていくことでキンクが成長するという新たなモデルを提案しました.
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2020/05/14
LPSO相を圧縮変形した際,試料表面で凸凹を伴ったキンクが観察される前段階に,表面は平坦なままで結晶方位が大きく回転したpre-kink(プレキンク)が形成・発達することが発見されました.
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2019/05/23
符号の異なる回位をもつキンクが複数合体すると,ちょうど回位が打ち消されたキンク群が形成されることが見いだされました.