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材料中の析出物の形状についての考察およびその発展 |
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左側のCu中の極めて微細な析出物粒子の形状は右側の東京ドームの形状とよく似ている. | ||||||||||||
4.超球について:析出物と東京ドームの形状の類似性これまで説明してきたCu母相中のCo-Cr合金析出物における球から立方体への形状変化は,超球(supersphere)と呼ばれる空間図形に対する考察を利用してなされたものである(S. Onaka, N. Kobayashi, T. Fujii and M. Kato, Materials Science and Engineering A, A347, pp.42-49, 2003.). このような形状は,実は,身近にもある形状となっている.上左図はCo-Cr合金析出物の電子顕微鏡写真であるが,その形状は上右図の東京ドームの平面形(航空写真)と極めてよく似ている.Co-Cr合金析出物はその構造である四角い立方晶を包むものであり,東京ドームは言うまでもなく四角いダイヤモンドを持つ野球場を包む建造物である.四角いものを効率よく包もうとすると丸と四角のあいだになるのであろうか.上のふたつの図のスケールバーは数十億倍も長さが違っているが,この形状の類似性も興味深いことと思っている.
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