金属ナノ粒子の成長に伴う形態変化

CoFe板状粒子
図5 Cu母相中に析出したCo-Fe粒子.

 析出粒子を含む合金の力学特性を議論する場合,析出粒子のサイズや形態が特性に強く影響することが知られています.金属母相中に析出した金属ナノ粒子は,そのサイズに依存して様々な形態をとることも報告されています.図5に示した写真は,Cu母相中に析出したfcc構造を持つCo-Fe粒子です.Co-Fe粒子は,Cu母相に析出する際には,球状を保っていますが,直径が30nm程度にまで成長すると,{100}を界面とする立方体状へと変化します.さらに,粒子が成長しますと,図5に示すような板状へと変化していきます.
 藤居研究室では,これら金属ナノ粒子の形態変化を透過型電子顕微鏡観察によって詳細に調べるとともに,析出粒子の界面エネルギーと弾性ひずみエネルギーに着目して弾性論に基づく理論解析を行っています.