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 ある結晶中に存在する別の結晶(第2相)の形状やその分布状態も材料の諸性質を決める大きな組織因子である.本研究では,第2相の安定形状に関するエネルギー論と結晶学,さらに,第2相の生成に及ぼす外場(磁場や応力場)の影響を理論と実験を駆使して明らかにし,材料の組織制御に対する基本的な指針を得ることを目的としている.

A. 第2相の形のエネルギー論と結晶学

 析出物や相変態による生成物など,
母相に囲まれた固相の第2相は,球状,針状,板状などさまざまな形状を呈する.研究は,このような形状を弾性ひずみエネルギーと界面エネルギーの双方を考慮して,マイクロメカニックスの手法を用いて説明しようとするものである.

 一例として,第2相の変態ひずみ,弾性定数,母相との方位関係を考慮し,弾性ひずみエネルギーが最小となる
孤立第2相の安定形状を求めた結果を下に示す.

 

 第2相の大きさが小さくなると,下図のように弾性ひずみエネルギー(サイズの3乗に比例)より界面エネルギー(サイズの2乗に比例)の寄与が相対的に大きくなる.この場合は,界面エネルギーまで考慮した第2相の安定形状を考察する必要がある.



B. 析出・相変態に及ぼす外場(応力場や磁場)の影響

 外場を与えずに第2相の析出や相変態を起こさせると,ランダムに様々な方位の第2相が出現するが,
磁場や応力場などの外場を与えると,第2相の整列効果が見られることがある.この現象をうまく使うと,特異な異方性を持つ材料の開発に応用できる.しかし,外場が析出・相変態に及ぼす効果には,熱力学的効果(化学的エネルギー),力学的エネルギー効果,速度論的効果などが重畳して影響するため,まだ未知の部分が多い.
 本研究室では,モデル材料や実用材料を使った実験的研究と熱力学,マイクロメカニックス,速度論などを用いた理論的研究を融合させて,この問題を追及している.

     

                                
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